『見る人が衝撃を受けるような作品を作りたい』
島村のクリエイティブな発想で生み出された作品は、ひと目で釘付けになってしまう迫力が備わっている。
作品には白、青、赤などの明るい色のものも多く、一見顔料が含まれているように思うかもしれないが、全て無釉の土そのものの色だ。
一般的な備前焼のように、灰を被ることによる変化、窯変を狙うということはせず、半地下式穴窯で8日間ほどじっくり焼締め、土本来の色を表現していく。
作陶の中で一番楽しいのは土作りだそう。
土はふるいにかけることをせず、指先でこねながら石の大きさを確認し、作る作品に応じ取り除く石の大きさを決めていく。
新しい土に出会うたび、“この土だったらこう作りたい”と創作意欲が湧く。
どこに行っても土に目がいくが、毎日の犬の散歩中でも土を探す。散歩コースにはロング・ミドル・ショートの三つの異なるコースがあり、新しい土を見つけると宝瓶一つ作れる程度の土を持って帰り試してみる。いい土だと思えば、もう少し使って試す、という具合に土への探求には終わりがない。
1942年岡山県長船市に生まれる。
33歳の時、陶芸家になることを決意。
備前焼の伝統として受け継がれてきた細工物があまり作られていなくなっていることを危惧し、細工物を作ることを決めた。幼い時から細工物が特に好きだったこともあるが、人のまねが嫌いという性格もあった故だと言う。
他のどこにもない島村ならではの作品は、みる人を捉えて離さない。
1942年 岡山県瀬戸内市長船町に生まれる
1975年 近世の備前細工物に惹かれ陶芸の道に入る
1987年 寒風陶芸会館立像制作
2002年 「窯辺のスケッチ」天満屋個展(以後2005、07、09、13年)
2013年 備前市指定無形文化財「備前焼の製作技術」保持者に認定
2015年 岡山県文化奨励賞受賞
2016年 「山陽新聞賞」受賞
マルセンスポーツ文化賞「マルセン特別賞」受賞
2017年 「島村光・金重有邦・隠崎隆一展」岡山県立美術館
「土を編む」天満屋広島個展
2019年 岡山県重要無形文化財備前焼保持者に認定
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