伊藤成二 (甚秋)

 

常滑の伝統である機能美と甚秋独特の造形美を兼ね備えた甚秋の急須からはシンプルながら独特の空気を感じることができる。

 

常滑の急須はその精密性がゆえ、お茶の専門家が好んで使うことが多いのだが、甚秋は専門家のためだけではなく、現代の一般の食卓に溶け込むような急須づくりを目指した。 

また常滑の作家は弟子入りをして一定期間修行をするのが普通であるが、甚秋は弟子入りを経験しておらず“急須はこうなくてはいけない”という固定的な概念がない。

甚秋の作品に漂う独特の雰囲気はこのあたりに所以があるかもしれない。

 

1949年常滑に生まれる。

父はまだ徒弟制度があったころのろくろ師。手作りではあるが比較的大量に生産される花瓶、火鉢などに携わっていた。

 

甚秋自身学生時代は陶器で生計を立てる気はなかったため、自動車整備の専門学校へ進学。自動車整備会社で2年程勤めるが途中で気が変わり、父の会社で陶芸をはじめる。

その後20年もの間、花瓶、湯呑などを作り父を手伝っていたが、大量生産品を作る父とは違い作家として独立する意識はずっと持っていたそう。

「湯呑を作っていましたが、湯呑はあくまでも急須という主役をひき立てる脇役だと思っていました。だから自然と主役の急須を作ろうと思うようになりました。」

 

20年ほど前から急須を作り始める。常滑の急須作家を訪ね歩き、急須作りについて聞いて回った。

「今ようやくわかるようになったのは急須にはいろいろなパーツがあり、とりつけるバランスがむずかしいんです。それがわかっている人がいい作品を作れるのだと思います」

 

最近急須作りに対する考え方が変わってきたそう。今までは機能性を重視していたが、今はそれに加えて“見栄えがいいもの”、“趣味で急須を持つ人が愛着を持ってくれるもの”をつくりたいと思うようになってきたという。「使いやすいのはもちろんですが、使って“いいな”と特別な愛着を思ってくれることが一番うれしいですね。」

 

「生涯現役でいたい、そして人に影響を与えるようになりたい」




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