大西雅文の作品は登り窯で焼いた深い色彩、ひびが大胆に入った荒々しい表情が特徴。
“自然のままのやきものを作りたい”と語る大西。
目で確認できる大きな石だけ取り除きふるいにはかけないので土は均一ではなく細かい石が含まれたまま焼成される。土は収縮するが石はそのままなのでひびが大胆に入り、自然の強さをそのまま表現したような作品が出来上がる。
丹波地方特有の背が低く長い登り窯の中は非常に狭く、這ってでしか移動することができない。一度に千点ほどの作品を入れて焼くが、そのうち数点のみに(4,5点)あでやかな赤を伴う作品が出来上がる。これは薪の一部に竹を使用しているからであるが、竹を薪に使うのは日本全国でも珍しいという。
過去10年間同じ焼き方をしたことがない。土を変えたり、炊き方を変えたり、薪の本数を変たり、竹と赤松の割合を変えたり、常に試行錯誤を繰り返してきた。大西の表現したい独自の丹波焼への探求は終わることを知らない。
1980年、丹波焼で三代続く窯元で生まれる。父の代まではかめ、酒樽、雑器などをメインに造っていた。本人も窯元の職人としてなんとなく家を継ぐ気持ちはあったが、30歳の時に古丹波に出会い、その魅力に取り憑かれ陶芸作家となる。
1980年 兵庫県篠山市今田町に生まれる
2000年 大坂芸術大学短期大学部デザイン美術科工芸専攻卒業
2000年 愛知県瀬戸市 霞仙陶苑加藤裕重に師事
2004年 立杭に帰り作陶
2005年 加古川百貨店にて初個展
以後
神戸大丸(兵庫)
阪急うめだ本店(大阪)
天満屋広島(広島)