商品概要
商品名 | 常滑焼 金桜中帯彫急須 |
作家 | 森下宗則 |
生産地 | 愛知県常滑市 |
サイズ | 高 8.4cm * 長 12.1cm * 直径 8cm |
満容量 | 220ml |
素材 | 陶器 |
備考 | 桐箱 |
ご注意点
常滑を代表する彫師。取っ手や注ぎ口まで精緻な彫を施す全面彫は圧巻。
彫の絵柄はすべて自身で考案したオリジナルであり、ろくろも宗則自身がひいている。
1954年愛知県常滑市生まれ
父はもともと花瓶や火鉢などを作るろくろ職人、母は日本人形の彩色をする職人であった。
徐々に仕事が減ってきた事もあり、結婚してからは二人とも招き猫の彩色をしていた。
宗則は常滑市立の高校に進学。
学校には窯業科もあったが、当時は興味を惹かれず普通科に進んだ。
ちょうどその頃朱泥が売れ始め、父は再びろくろの仕事を始め、細工物、彫の茶器なども副業としてやりはじめた。宗則はアルバイト感覚でお金がもらえるならと興味のなかった父の仕事を手伝うようになり、徐々に陶器のおもしろみを感じ始めた。
高校の進路相談では担任の先生に「自分は陶器をやるつもり」と伝え、この世界に入る心を決める。特に弟子入りしたりすることはなく、急須の作り方を度々急須職人に聞きにいくことはあったものの、すべてはほぼ独学で勉強。
夢をもってはいった世界ではあったが、同級生だった周りの友人は給料やボーナスをもらっている中、「自分はこの道に入って何をやっているだ?」と不安に駆られたこともあったという。そんな悶々とした修行も9か月程経ち、ぐい吞みに彫を入れたものが売れ始めた。さぞかしホッとしたことであろう。
しかしながら、ホッとしたのもつかの間、常滑にいる先輩の浮世絵を模写した彫を見たとき「こんな上手な人には勝てない」と感じる。
模写の彫ではなく、独自のスタイルを確立しないといけないと思い自分でろくろを引き、オリジナルのデザインの彫を取り入れるようになる。
卒業後10年ほどたった頃には、取っ手や注ぎ口を含む作品全体に隙間なく彫を入れる全面彫りも始めた。
最近になり、全面彫りではなく、あえて彫のない空間をあける作品も多くなったという。
「絵の中の余計な部分を取り除くことで、自分の彫を主張する表現を面白く感じるようになりました。同じ絵でも空間がどこにあるかで見る人の印象が大きく変わるんです。」
また、本人が“絵がはみ出ている”と表現する柄の一部のみを見せるデザインも宗則の特徴である。
「全面彫りは本当に手間と時間がかかる、本当に作るのが大変なんですよ。こんなにめんどうなものは本当はあまりやりたくないんですよ(笑)」